本日 25 人 - 昨日 17 人 - 累計 81476 人

脳震盪

このあいだ、ばっちゃんが脳震盪を起こしたり、聞いてみると過去にもいろんな選手が脳震盪を起こしていたと発覚いたしました!つまり、脳震盪とは起こりやすい、かつ、これから見るように本当に命に関わるスポーツ障害なんです!というわけで、脳震盪について知識を持っておきましょう!

<脳震盪とは>
 脳震盪とは、頭部への急激な衝撃(外力)によって、頭蓋骨内で脳が急激に揺れ、その衝撃でおこる脳細胞の損傷で、一時的な神経(運動・感覚)損傷を伴います。損傷の度合いに関わらず、1度目の脳震盪から短期間に2度目の脳震盪が起これば「セカンドインパクトシンドローム」といったものが起こります。一度の脳震盪でダメージを負っている脳細胞に、回復していないままにさらにダメージを与える訳ですから、取り返しのつかないダメージを与えてしまいます。これにかかると、なんと致死率は50%以上!!!命に関わり重篤になる危険性大です。助かってもほぼ確実に障害が残ります。
 なので、「軽症の脳震盪」や、受傷後に「ちょっと頭痛があるだけ…」と訴えた場合でも、絶対にすぐに競技復帰させてはいけません。頭を強打したときは、意識が正常に見えても、しばらく様子(経過)を見なければなりません。頭部外傷は時間とともに症状が悪くなる場合もあり、生命の危険があるということを忘れちゃいけないのです。

<度合い>
 Gradeの基準は、ガイドラインによって微妙に異なりますが、脳震盪には、意識喪失の無いもの(軽度)から、意識喪失を認めるもの(高度)もあり、大きく3つに分類されます。

軽度(Grade1):意識消失なし/症状の消失15分以内
中度(Grade2):意識消失なし/短時間の健忘症/症状の消失15分以上
重度(Grade3):意識消失あり(数秒~分)/長時間の健忘症
[American Academy of Neurological Guidelines]

または、
Grade1: 意識消失なし、健忘症の消失5分以内
Grade2: 意識消失5分以内、健忘症の消失30分以上~24時間以内
Grade3: 意識消失5分以上、健忘症の消失24時間以上
[Cantu Grading System - symptom]

というような感じで、一応の目安はあっても、「こういう症状だから、こうだ」という法則はありません。脳・神経損傷による様々な異常や症状から"脳にダメージがある"と判断できますが、実際に脳に何が起きているかは誰にもわかりません。なので、たとえ症状が軽くても、「単なる、軽い脳震盪」なんていう判断は厳禁です。
受傷直後から意識の醒めないときや(脳挫傷)、徐々に意識の状態が悪くなるとき(頭蓋内血腫疑)は救急車で病院へ搬送する必要があります。

<症状>
主な症状は、頭痛、ボーッとする、吐き気、めまい、複視、視野狭窄、精神混乱です。また、言語、運動反応が遅れる(質問に答えること・指示に従う事が遅い)、意識不鮮明と集中力低下(すぐに気が散る・何かを最後までやり遂げられない)、見当識障害(変な方向を向いて歩く)、不明瞭な発語・つじつまの合わない発言(流暢に喋れない・理解できない言葉)、共同運動障害(よろよろ歩く・まっすぐ歩けない・つきあし歩行が出来ない)、感情失禁(取り乱す・理由もないのに泣く・妙に陽気である)、記憶障害(同じ事を何度も尋ねる)といったものもあります。受傷後1か月ほど経過した後から、頭痛、物忘れ、しゃべりにくさ、手足の不自由さ、おもらし(尿失禁)などの症状が出始めたら、迷わず脳神経外科を受診してください。若い人が起こす事は少ないのですが、慢性硬膜下血腫を起こしていると、上記のような症状が出る事があります。

<応急処置>
脳震盪を起こしたら、まずは安静にして休ませ、意識レベル、呼吸、脈拍のチェックを行います。次に頭、頸部のアイシング、そして意識があっても手足の麻痺〈まひ〉がないかをチェックします。意識障害のあった選手に水を与えてはいけません。吐いてしまい、窒息の恐れがあります。

<最後に>
 軽度であれ、脳震盪を経験したら(ようするにダウンをしたら)、一週間は絶対安静です。よくいるのですが、ダウンしたけど意識も失ってないし大丈夫だろうと、帰る時に、車、バイクの運転をする人がいますが、絶対に止めましょう。自殺行為です。
 あまり知られていませんが、脳震盪の特徴の1つにめまいや、集中力の欠如が長期間残るということがあり、脳に確実にダメージが残っている為、通常通りの運転はできないことがよくあります。飲酒運転以上に危険と認知すべきです。ようするに「ダウンをしたら一週間は車の運転をするな!」ということです。
 脳のダメージは外見からでは全くわからないことの方が多く、他人はもちろん、脳には痛覚がない為本人もダメージがわからないことが多いです。
軽度はともかく、中度、重度は脳に深刻なダメージを追っている可能性があり、脳にダメージを自覚した時には手遅れで、体に深刻な障害を負ったり、下手をすると死ぬ危険性があります。よって、中度、重度の症状がでたら、ようするに気絶をしたら、気絶した時間に関係なく、例え深夜であろうとも速攻で救急車を呼び病院に直行しましょう。
 この辺りの症状を舐めている人は多いのではないのでしょうか?実際に殴られて気絶をしても記憶が飛んだり、頭痛がするだけで問題がないということの方が確率的に多いと思います。しかし、非常に低いですがゼロではありません。
 二度、三度気絶をして問題ないから次も問題はないという保証はどこにもありません。そのもしもがでたら取り返しがつきません。脳の損傷の回復力、障害の強弱はいかに速く治療をするかにかかっています。どんな状態であれ遠慮をせずに病院へ行きましょう。



コメント
name.. :記憶
e-mail..
url..

画像認証
画像認証(表示されている文字列を入力してください):